京都大学人文科学研究所パンデミック研究プロジェクト

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このページでは、市民・大学のネットワークを通じて、全国の学者や市井の人々から情報を提供していただいた資料、これまでの先駆的な研究が収集した資料、私たちのプロジェクトで収集した資料などを、広く市民が使用できるようにご提示する予定です。

衛生寿護禄
1884(明治17)年

5段・6列組、計26マスの、人生になぞらえた飛び双六(とびすごろく)。振出(ふりだし)は最下段・右端の「出生」。サイコロの目にしたがい、指定されたマスに飛ぶようにして進み、最上段・中央の「上り(あがり)」を目指す。

 各マスには、衛生に関する事項およびそれを説明する絵と和歌が配されている。たとえば、最下段・中央の「種痘」のマスには、母に連れられ種痘医から種痘をうける子の絵と、「わたつみの 深き恵に 海士(あま)の刈る もとの藻がさ〔天然痘〕は 絶え果てにけり」という和歌が載る。

【参考】

・香西豊子「近代、サイの目、疫病経験——明治期の衛生双六にみる日常と伝染病」、小松和彦編『禍いの大衆文化――天災・疫病・怪異』KADOKAWA2021年。